SFに愛をこめて |
湯田伸子 SFは好きでSFを、描きたいと思うけれども、メカは描けないしSF向きの血液型ではないし(SF作家にA型の血液型の人はいないというのに、私は何とそのA型!なのである)、SFやめたほうがいいんじゃないというような条件がそろっているのだが、私はどうしてもSFをあきらめられないと思う。 小さい頃、現代小説というのは誰のペニスが一番固くて長いかとか誰のウァギナが一番ぬれているかとかいうようなことばかり書いてる、いやらしい世界に思えた。文学なんか勝手にいやらしいことやっていれぱいいやという気がして、私はSFばかり読んでいた。SF小説は、いろんな感情を私に教えてくれた。最終戦争で一瞬ネオンのようにまたたく地球を火星の砂漠で見上げる悲しみや、ブラックホールの中に永遠の時間をかけて吸い込まれていく恐怖や……。 私も年を取り(?)現代文学が昔思ったようなものでは無いとわかってきたが、それでもSFは大好きである。静かな図書室の本棚の上に、まっ黒い竜のような大きな生き物がとぐろを巻いてるような情景を忘れられるものではない。 血液型こそあいにくSFではないけれども心は大いにSFですので、何とかハンデを克服してSFでいいものを描きたいと思っています。ひどい絵の私のマンガを読んで下さった皆様、どうもありがとうございます自これを一冊にして下さったスタジオイワオの方々も、どうもあリがとうごぎいました。 |